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文句なしに今年最高傑作!天空の蜂のネタバレ含む感想

” 手に汗握る ”

” 思わずはっと息を呑む ”

月並みな表現になってしまいますが、今年一番と言っても
過言じゃないくらいめちゃくちゃ面白かったです。

映画「天空の蜂」

原作の作者は稀代のヒットメーカーとして知られる
東野圭吾さん

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当然ながら映画の前評判も高かったわけですが、
映画を観てここまで興奮したのは久々であります。

その大きな理由はやはり、わたしが原作を読まずに
劇場に足を運んだのが大きいのかなと思っています。

超大型ヘリ”ビッグB”の設計士で本作の主演を務める
湯原一彰役を江口洋介さん

そのビッグBが標的とする原子力発電所 “新陽” の
設計士である三島幸一役に本木雅弘さん

ビッグBを奪い日本政府に原発の停止を要求する
テ◯リスト役 雑賀勲を綾野剛さんが演じるという
超豪華キャスティング

パンフレットを手に取るだけでも心躍る俳優陣で、
シナリオを知らずにまっさらな気持ちでスクリーンに
集中できたわけですから面白さも倍増したのかなと。

ただ原作を既にお読みになっている方が楽しめないかというと
全然そんなことはないと思います。

なぜなら一度観賞して既にシナリオが頭に入っている状態でも
もう一度観たいかと問われたら間違いなく観たいと答えるから。

それだけ最初から最後までスリリングでテンポがよく、
時間が経つのを忘れさせてくれる作品に仕上がっています。

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天空の蜂のあらすじ

ここからはより詳細に映画「天空の蜂」の見どころや
魅力を知りたいという方にあらすじを交えながら試写会後の
興奮をお届けできたらなと思っています。

当然ながらネタバレを含みますのでご注意を(苦笑)

まず映画の序盤で感じたことなのですが、この原作が
1995年に刊行されたという事実にただただ驚愕しました。

だって2015年の今から振り返って20年も前の話ですよ。

2011年の「3.11」が原因で起きてしまった福島の原発事故

それ以降、原発の是非は日本でかなりデリケートな問題として
侃々諤々と議論されているわけですがそれを見越して描かれた
かのような内容に東野圭吾恐るべしと感じたわけです。

1995年の刊行当時から映像化のオファーが殺到したそうですが、
当時の撮影技術では絶対に映像化は不可能だと言われていたそうで
20年を経た現在、震災から数年を経た現在だからこそ
意味のある映像化なのだと思わされます。

超巨大ヘリ”ビッグB”がテ◯リストに奪われる

日本全土を巻き込んだ悪夢の8時間は災害用ヘリとして
作られた自動操縦可能な巨大ヘリ”ビッグB”がテ◯リストに
奪われることから始まります。

ビッグBは原発 “新陽”の上空でホバリング(一時停止)しており、
ヘリの燃料が切れる8時間以内に日本中の原発を止めろ
というのが犯人の要求

この8時間という絶妙な時間で俄然、緊迫感が増したように思います。

重さ数十トンもの鉄の塊が上空数百メートルから
原発に墜落してはひとたまりもありません。

この設定だけで既に気が重いのにも関わらず、
ビッグBには江口洋介さん演じる湯原の小学生の
息子(高彦)が取り残されているんです。

ヘリの納入式に見学として妻と息子を招待したわけですが、
その際に無断で乗り込んじゃったんですよね。

そのタイミングでヘリが奪われてしまったわけです。

新陽の現場には警察や消防の人間、自衛隊員が出揃い
湯原や本木雅弘さん演じる原発設計士の三島らを交え
この事態をどうやって乗り越えるのか作戦が練られます…

前半最大の見どころは高彦くんの救出劇

helicopter(※イメージ※)

とにもかくにも人命優先ということで犯人との交渉の末、
日本中の原発を”一時停止”させることで救出に向かう
了承を取り付けます。

しかし上空に一時停止しているヘリの中の人間を
救出するという前代未聞のケース

ヘリからヘリへとロープを飛ばして高彦くんを助けに行くんですけど、
ここが間違いなく前半最大の見どころであります。

上空の強い風に煽られ分厚い雲が視界を邪魔する中での
自衛隊員の勇気ある行動は本当に胸を打ちます。

作戦としては高彦くんを抱えてパラシュートで落下するというもの
なのですが、今まさに救出成功かというタイミングでヘリが横揺れし
ヘリから投げ出された高彦くんが真っ逆さまに落下します…

この瞬間は会場全体から「ハッ」と声が漏れ出ていましたね。

わたし自身、相当肝を冷やしたシーンでありました。

テレビのモニターで我が子の身を案じていた湯原夫妻の
悲壮感溢れる表情も忘れられません。

しかし救出に向かった隊員が上空で見事に高彦くんを
キャッチすることで何とか一命を取り止めます。

こちらは完全に余談ですが、このシーンは劇場版名探偵コナン
「天空の難破船」で気球から放り出されたコナンを怪盗キッドが
助けに向かったシーンの実写版ともいえそうです。

犯人が明らかになり確保に向かう警察

police
高彦くん救出のさなかも犯人の足取りを追っていた
地元警察が反原発運◯を行っていた人間の中から
雑賀勲(さいか いさお)という男に目を付けます。

雑賀役を演じた綾野剛さんといえば、クールな切れ長の瞳が
とても印象的な俳優さんですが、その瞳からは悲壮なまでの
覚悟が伝わってきて思わず鳥肌が立ってしまいました。

雑賀を今回の犯行に導いた動機は、航空自衛隊員時代に
国から使い捨てにされた挫折とその後、勤めた原発の劣悪な
環境下での清掃業務で友人を労災で亡くしたことでした。

雑賀を確保に向かうのは地元警察のベテラン刑事と新米刑事の
コンビなのですが、一見ナヨナヨして頼り無い新米刑事が
自らの命を張って雑賀と戦うシーンは涙なしでは観れません。

その後、警察から逃げ切れないと判断した雑賀は
車の前に飛び出し自らの人生に幕を下ろします。

タイムリミットは刻一刻と迫る

sunadokei雑賀の死で事態は大きく動いたわけですが、原発”新陽”の
上空にビッグBが一時停止している状況に変わりはありません。

燃料が切れて墜落してしまうタイムリミットの8時間まで
刻一刻と時間が迫る中、驚愕の事実が発覚します。

黒幕は原発設計者の三島

kuromaku
ビッグBが犯人の手に落ちた段階で推測されていたことですが、
今回の事件には内部の協力者なくしては実現できない点が多かったんです。

原作を読んだことのない観客はわたしも含め完全に雑賀に
ばかり気が取られていたと思うのですが、黒幕もとい共犯は
“新陽”の設計者である三島だったのです。

三島は湯原と以前から親交があり、ヘリから高彦くん救出の際も
反発し合いながらもアドバイスをしてくれた人物

そんな人物が裏で手を引いていたという衝撃の事実に見事に
予定調和を狂わされ、益々スクリーンから目が離せない展開に!

三島は原発の設計者という自らの肩書きが原因で息子が
学校でいじめに遭い、目の前で息子を亡くしていたのです。

いじめを見て見ぬふりをした学校

もっといえばそのような空気感は日本全体を覆っており、
多くの人が目の前の問題から目を背けている現状に苛立ちを
募らせて雑賀と今回の計画を企てたのでした。

三島は計画の実行にあたって仲間由紀恵さん演じる
赤嶺淳子を利用するのですが、仲間さんといえば単独で
主演を務めるような女優さんですよね。

そんな彼女が脇役として登場する「天空の蜂」は
本当にお腹がいっぱいになるような豪華さです。

事情聴取に訪れた警察の手から逃れるために、
長い髪の毛をバッサリと切り落とすシーンも見もの。

少し脱線してしまいましたが(汗)

物語は終盤へと向かいます。

天空の蜂の結末(ラスト)

雑賀の死を知らされた三島は逃げるように現場から車を
走らせるのですが、三島の様子がおかしいことに気付いた
湯原がこれを静止し同乗します。

三島が雑賀の共犯であったことを知った湯原は
ビッグBの墜落を阻止するよう説得を行うのですが、
死ぬ覚悟を決めた三島は首を立てには振りません。

そこで三島が言い放ったセリフが忘れられません。

「電力は人命より重い」

そう、日本中の原発を一時停止したかのようにみせた
決定はあくまでカモフラージュであったのです。

それも全て見越した上で三島は最初から自分達の
要求が通るとは考えておらず、墜落のシナリオしか
用意していなかったんですね…

ですが湯原は諦めません。

わずかな可能性を頼りに墜落するヘリの軌道を逸らす
手立てを思いつき物語は最後のクライマックスへ

ビッグBの自動操縦が切れる一瞬の隙をつきコントローラーでの
操作を試みるのですが、ヘリで数十メートル近くまで接近するんです。

少しでも操作を誤ればともに墜落するのを免れません。

しかし、前もって仕掛けられていた爆◯が
原因でビッグBが大爆発を起こすんです。

スローモーションで描かれる間一髪で衝突を交わすシーン

その後、ビッグBが原発の頭上に落ちるのか否かという
シーンは自分でも呼吸をしていたのかどうかよく覚えていません(苦笑)

それだけ手に汗握る、思わず息を呑むシーンでありました。

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結果的にビッグBは海上に墜落、事なきを得ます。

そして舞台は2011年3月13日の東北に移ります。

ビッグB同様の災害ヘリが被災者を救出するシーンが描かれ
そこに乗っている隊員が成人して立派になった高彦くん

ちなみにこの役柄は向井理さんが演じていたのですが、過去に
警官役も務めたことがあるだけに中々様になっていました。

原作が1995年刊行ですから最後のシーンは
映画オリジナルになると思うのですが、ラストの描写としては
良い持って行き方だったのではないでしょうか。

ここまで長々とあらすじや感想を綴ってまいりましたが、
伝えたいメッセージは結論として一言に集約されます。

「天空の蜂は文句なしに今年最高傑作ですから
絶対に映画館で観ていただきたいです!」

以上、試写会終わりの興奮冷めやらないなかでのレビューでした。

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