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累(かさね)のあらすじネタバレ感想!衝撃的な設定に引き込まれる

kasane
醜い顔を持つ少女、淵累(ふち かさね)は、
伝説の女優と称される淵透世(ふち すけよ)の娘でした。

母親とは似ても似つかない醜い顔をしているため、
小学生の頃から累は友達からいじめられています。

次第に周囲のいじめに耐えきれなくなった累。

ふと、小さな頃に亡くなった母の言葉を思い出します。

「本当につらいときは、ママの鏡のひきだしの中の赤い口紅を……」

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おぼろげな記憶で母の言葉は断片的にしか思い出せません。

でも、赤い口紅という言葉だけははっきりと覚えていました。

母の言った通り、口紅は確かにひきだしの中にありました。

しかし、それをどうすればいいのかわかりません。

そのまま、悶々とした日々を過ごしていると学芸会の主役に累が抜擢されることに。

もちろん、これもいじめの一環です。

いじめの中心人物であり、累とは対照的にかわいい顔を持つ西沢イチカの仕業でした。

劇の練習からも追い出され、一人でシンデレラの練習をする累。

醜い顔をしているものの累の演技力には並々ならぬものがありました。

迎えた本番当日。累は舞台上で素晴らしい演技を披露します。

ですが、それを面白く思わなかったイチカが劇を中断し、
自分と主役を入れ替わるよう詰め寄ってきます。

脅迫され、仕方なくうなずく累。

ここで、彼女の中のドス黒い気持ちが爆発します。

衣装を取り替えるため、イチカと二人きりになった累。

累は母の言葉を完璧に思い出しました。

「口紅をぬって、あなたのほしいものにくちづけを」

累は口紅を塗り、イチカの唇を奪います。

すると、累の顔がイチカのかわいらしいものへと変貌してしまいました。

自分の顔が奪われたことに取り乱すイチカ。

累は彼女を脅し、トイレへと閉じ込めます。

その後、舞台へと戻った累はイチカの顔で素晴らしい演技を披露します。

初めて味わった賞賛の眼差しと盛大な拍手に、
累はいままで味わったこともない高揚感を覚えます。

そして放課後、学校に誰もいなくなった頃を見計らって、
累はイチカを学校の屋上へと連れ出します。

屋上の端に座り、会話をする二人。

「今までごめんなさい」

累の顔になったイチカは累に謝ります。

イチカが自分の気持ちをわかってくれたのだと累は涙を流します。

しかし、それは累を油断させるための嘘に過ぎませんでした。

こうして二人の押し問答が繰り広げられた挙句、
イチカが足を踏み外して屋上から落下してしまいます。

自身の犯した罪に苛まれ、命を絶とうとする累ですが、
醜さへの憎しみから生きることを選び踏み止まります。

翌朝、累の顔は口紅の効果が切れたのか、元の醜い顔へと戻っていました。

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高校に入ると、累は演劇部に入ります。

ですが、引け目を感じてか照明担当になり、演技力を披露する場に恵まれません。

ある日、一人で体育館に残り演技の練習をしていると、
その現場を部長でありプロの役者としても活躍している美少女、
五十嵐幾(いがらし いく)に見つかってしまいます。

「すごいじゃない!声もいい!演技もできる!しかもずば抜けて上手い!」

累の演技に驚いた幾は累に役をやるよう勧めます。

しかし、累は幾への僻みから素直に受け入れることができません。

その後、幾は累と行動をともにしはじめます。

幾は自分もいじめられた経験があることから、累が放っておけなくなったのです。

幾の優しさに触れ、累の心も徐々に解けていきます。

ところが、ある日、他の演劇部員から呼び出され真実を告げられます。

「先輩はね、かわいいからいじめられたのよ」

幾はその美貌から、クラスメイトの嫉妬を買い、いじめられたことがありました。

それは醜さから虐げられている累とはまるで正反対の出来事でした。

自分と幾が近しい存在だと思い始めていた累の自信は呆気なく崩壊します。

「あんたは幾先輩じゃなくて先輩をいじめたやつらと同類のはずよ」

その言葉で、累は口紅を使う決断をします。

公演の本番前に幾を呼び出し睡眠薬で眠らせた累は彼女に口づけをし顔を奪います。

そして、見事に主役を演じきり途方もない優越感を味わいます。

ですが、累はこのまま顔を奪い続ける気にはなれませんでした。

劇が終わった後、眠る幾に口づけをし、顔を元に戻します。

その後、演劇部を退部した累。幾はそんな彼女を見つけ、尋ねます。

「私、大会の上演中の記憶が無いの……」

累と接触してからの記憶がない幾は彼女に疑いを向けます。

「私に、何かした……?」

累は怯むことなく問い返します。

「何かって……何です?」

その様子に怯える幾。

「わからない、けど怖いの」

俯きながら呟く幾の顔を掴み、累は言います。

「なら、もっと怖がればいい」

束の間のことではあっても、幾の優しさに救われた累。
累は彼女に別れを告げ、歩み去ります。

彼女の目には何故か、涙が滲んでいました。

今後の気になる展開

母の十三回忌で実家に戻った累。

そこで彼女は、母の口紅の秘密を知る男、羽生田釿互(はぶた きんご)に出会います。

母から累を助けるよう託された、と言う釿互。

彼の紹介で累は若手美人女優、丹沢ニナの影武者を演じることに。

累の演技力を利用して目的を果たそうとするニナ。

しかし、累による乗っ取りはその内、彼女の精神を侵しはじめ……。

累と赤い口紅の能力は一体どのような事態を引き起こすのでしょうか。

「累」はイブニングにて連載中の話題作です。

作者の松浦だるまさんはこの作品で新人賞を取り、
デビューしたというのですから驚きですね。

口紅で人の顔を奪うという設定もさることながら、
それを利用する累の醜くも悲しい執念が力強い筆致で描かれています。

ピカレスクもののように罪を犯した累の姿を追っていく物語なのですが、
その悲哀に満ちた人生と欲望の迸るさまが心に深く突き刺さってきます。

他人になりきるというテーマに演劇というモチーフが抜群に噛み合っていて、
舞台の上で別人の顔をした累が見せる演技には思わず引き込まれてしまいます。

他人に何かしらのコンプレックスを抱いたことは誰しもあるはずです。

そんな複雑な想いをくすぐられつつも、累がどのような
選択をしていくか気になってしょうがなくなる注目作ですね。

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