映画・漫画のある生活ムビコミ

映画の感想や漫画の考察を書いています。

邦画のおすすめランキング定番から隠れた名作まで50作品

eiga

わたし自身この事実を知ってかなり驚きを覚えたのですが、
昨今ではマイナーな作品も含めると年間500タイトル以上もの
邦画が公開されているのだとか。

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しかし公開本数が増える反面、映画館への入場者数自体は
減少の一途を辿っているそうでスマホゲームや動画配信サービスなど、
他の娯楽の勢いに押されているのかもしれませんね…

そんな現状を憂いてといってはおおげさですが、
邦画のおすすめ作品をご紹介することで少しでも
日本映画の良さをお伝え出来たらなと本企画を起ち上げました。

邦画のおすすめランキング

笑って泣けるラブコメ作品から、鑑賞後小一時間はジーンっと感動に浸れる作品、
思わず息をすることを忘れてしまうサスペンスや、心地よく予想を裏切られる
ミステリーな一本まで幅広く取り上げてみましたのでどうぞお楽しみ下さい。

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第50位  重力ピエロ

連続放火事件と、その現場近くに残された謎のグラフィック・アート。

ミステリーとしても楽しめますが、この作品は
家族の絆というものが根底に描かれています。

昔、卑劣な犯罪に巻き込まれてしまった一家。

被害者ゆえのつらい代償を背負った父(小日向文世)と
母(鈴木京香)はある大きな決断を下すことになります。

もし自分がこの父親だったとしたら、こんな決断ができるだろうか?
そう考えさせられます。

月日は流れ、その後、母が事故で亡くなり、父と二人の息子が残されます。
兄の泉水(加瀬亮)と弟の春(岡田将生)に対して限りなく
同じ愛情を注ぐ父の姿には尊敬の二字しかありません。

そして二人は興味本位からこの連続放火魔を追いかけるのですが、
やがて封印された忌まわしい過去に立ち向かっていくことりなります。

ストーリー展開のキーとなる夏子さん(吉高由里子)の存在が面白い。
是非とも彼女主演でスピンオフを観てみたいものです。

第49位  クライマーズ・ハイ

1985年8月12日、日航ジャンボ機が突然消息を絶ちました。
未曾有の大惨事となったこの事件をわたしも決して忘れられません。

この事件を題材に、ある架空の地方新聞社の数日間を追った本作は、
「報道」という世界の裏側を見せるとともに、人間ドラマとしても骨太の作品です。

新聞記者というと、「記事を書く仕事」というような単純な発想しかない
わたしにとって今更ながら大変な仕事であることを思い知らされました。

大新聞の機動力にかなわないまでも、何としても現場へ辿り着こうとする佐山(堺雅人)
彼の記事を何とか翌日の紙面に載せようと、全力で挑む全権・悠木(堤真一)
そして事故原因のスクープのウラを必死にとろうとする玉置(尾野真千子)

これは報道という名の戦争にほかなりません!

壮絶な戦いの最中、新聞を買い求めに訪れる女性に、
悠木がそっと差し出す自分の新聞。

スクープか真実か、決断を迫られる悠木の姿にこちらも固唾を呑んでしまう。

派手ではないが、情熱のこもった作品です。

第48位  嫌われ松子の一生

はたして売れっ子の女優さんにここまでしていいのかと
ド素人が思ってしまうくらい酷なことを中島哲也監督は
主演女優にさせてしまいました。

それは松子役の中谷美紀の変顔のこと。
しかもかなり顔面にチカラが入った、思いっきりの変顔なのです。

そしてこれが松子の癖だという設定なので、何度も何度も出てきてしまう。
そんな女優生命をかけた(?)演技で松子役を演じきっています。

ストーリーでは、松子は徹底的に幸せから見放された女性として描かれています。
こんな人生なら生まれて来たくないと誰もが思うでしょう。

松子自身も一度ならず命を絶とうと試みています。

しかし彼女はいつもギリギリのところで、再び人生をやり直そうと立ち上がります!
(そのきっかけの一つがアイドルだというのもしょうもないが)

考えると救いようのない一生かもしれませんが、松子はなぜか微笑んでいるのです。

第47位  青天の霹靂

原作・監督・脚本・俳優と劇団ひとりが、その才能をいかんなく発揮しています。

彼の原作の映画化は「陰日向に咲く」に続き2本目となりますが、
作品的には前作のほうがインパクトがあるものの、
こちらはなんというか「映画っぽい」

タイムスリップ(よくある)や自分のルーツさがし(よくある)や
どんでん返し(非常によくある)などが売れない浅草の芸人の身に起こるという、
型にはまったような人情劇は家にいながら閑散とした映画館で観ている風情で楽しいです。

さらに「ちゃんとした人生から少しずれた」役をやらせたら、
今一番ぴったりきてしまう俳優・大泉洋がきっちりと笑わせたり泣かせてくれます。

劇中で彼が披露するマジックが吹き替えなしということにも拍手を送りたいです。

第46位  愛のむきだし

4時間近くにも及ぶ上映時間はユウ(西島隆弘)ヨーコ(満島ひかり)
コイケ(安藤サクラ)の3人の描写に比重をかけたためでしょうか?

そのおかげで3人それぞれの周りの環境や性格があらわになって、
謎の女的なコイケのエキセントリックさも鼻につきません。

園子温監督の演出のパワーが並大抵のものじゃないのは、この作品がラストで
「恋愛もの」としてきっちり成立させてしまっている点にあります。

変◯行為だったり、バイオレンス、おかしな宗教だったりとエピソードが多様で、
観ているほうは「一体これは何の映画?!」と首を傾げてしまうかも。

特に全編を通じ流れているちょっとサイケデリックな音楽に
媚薬のように、この作品世界に閉じ込められます。

強引に卍固めをきめられたかのように、最後は無抵抗で
「ああ、いい純愛映画を観た!」となってしまう
軽い気持ちで見てはイケナイ濃いめの作品。

第45位  男たちの大和 / YAMATO

こどもの頃、あこがれてプラモデルなどで手にしていた戦艦大和。

なぜ「ヤマト」という言葉の響きがこれほど心をくすぐるのでしょうか。

第二次大戦中、国民の誇りと期待を一身にあつめたものの、
それほどの戦果もなく東シナ海で撃沈されたこの船は勝つ見込みのない
戦いに命を捧げた男たちの魂そのものだったのか。

物語は大和の60周年慰霊際が行われようとしている鹿児島の枕崎漁港に
一人の女性(鈴木京香)が訪ねて来るところから始まります。

なんとしても大和の沈没地点まで船を出してほしいと
頼むも誰も耳を貸してはくれません。

元・大和の乗組員である漁師の神尾(仲代達也)は彼女が元上官の
内田(中村獅童)の養女と知り、当時の思いがよみがえってきます…

決して戦争を美化する映画ではありません。

反町隆史や松山ケンイチほか、現代を生きる俳優陣のセリフのひとつひとつが
海底で眠る大和からのメッセージに思えてきます。

第44位  凶悪

凶悪事件の死刑囚・須藤(ピエール瀧)は、自ら別の事件を告白し、
そのウラにひそむ「先生」と呼ばれる謎の男(リリー・フランキー)の悪行を暴露します。

雑誌記者・藤井(山田孝之)は須藤の話を聞くうちに、
それが嘘ではないと感じ調査を開始。

出てくる人間が次から次へと悪党ばかりなので辟易しますが、
外道は外道なりの信念というか“外道倫理”があるところが面白いです。

いったい人間の善悪はどこで分かれるのでしょうか。

事件を暴き証明した藤井でさえ全くの善人とは言い切れない…
人間の本質について考えてしまう力作。

第43位  タイヨウのうた

この映画でYUIのファンになったという方も多いと思いますが、
わたしはデビュー曲「feel my soul」ですでに彼女に魅せられていました。

恋人役の塚本高史や、脇を固める岸谷五朗・麻木久仁子らに比べると、
その演技は・・・大目にみてほしいのですが(笑)

ただ彼女の持つみずみずしさは、自身の楽曲から抜け出たような
色彩をこの作品に与えています。

といいうより、もうこれはYUIのPVといっても過言ではないでしょう。

極端にセリフを少なくし、代わりにYUIの表情や歌によって
彼女を生き生きと撮った、小泉徳宏監督に感謝です。

また舞台となる海辺の町の昼と夜のシーンを効果的に並べ、物語のテーマとなる
XP(色素性乾皮症)患者の方たちの生活の視点をさりげなく映し出します。

わたしたちにとっての普通の日常が、実はとっても価値あるものだと感じさせられます。

第42位  脳男

タイトルがまず興味を惹きます。
非常に頭のいい男の話かと思ったものの違いました。

連続爆発事件の犯人を追っていた茶屋刑事(江口洋介)らは、
犯人のアジトを突き止めるも、突入寸前に内部で爆発が起きます。

煙がうずまくなか、茶屋は一人の男を発見し参考人として連行します。

この男(生田斗真)、「鈴木一郎」と名乗るばかりで一切素性がわからず、
精神鑑定が行われるもその結果が不思議なものだったのです。

序盤の爆弾魔の犯行の異常さや、鈴木一郎という男の謎を辿っていく
展開はとてもサスペンシーであり、わくわくさせられます。

そしてこの映画の最も魅力ある部分は生田斗真の演技です。

ほぼ無表情の設定ながら、しっかり眼で感情を表現するというのは
簡単そうで実に難しい。

端正な顔立ちだけに、へたをするとロボットのように見えてしまうところを、
うまくかわしているのは彼の役者としての力量といえそう。

第41位  ブルークリスマス

C.G.やSFX大好きのSF映画ファンなら、ちょっとがっかりしてしまうかも。

わたしも公開当時は映画館で「全然つまんない。」と激怒した記憶があります。
なぜUFOは出て来ないのか、宇宙人をだせーなどなど(苦笑)

そのくせ、しっかりCharのサントラは買ったし不思議と記憶に残っていた作品。

この度、あらためて観直して驚きました。

特撮がほとんど使われていないため変に古臭さや、
チープさを感じずに観ることができる。

しかもよくよくみると「監督・岡本喜八、脚本・倉本聡」という豪華な組み合わせ!

だからドラマ部分がしっかりしているのか、と今だからこそ気付きました。
サスペンス要素やラブストーリーがうまく絡んで、大人の映画ファンには見ごたえ十分。

余談ですが副題の「BLOODTYPE:BLUE」は岡本監督ファンの庵野秀明監督が
「新世紀エヴァンゲリオン」で引用しているのだとか。

第40位  宇宙兄弟

邦画のSF映画には宇宙を舞台にした作品が少ないと思います。
最近では「スペースバトルシップ・ヤマト」くらいしか思い出せない…

もっと遡ると東宝の特撮映画にまで戻ることになりそう。

宇宙が舞台でなくともいいのですが、宇宙に目を向けたスケールの
大きな作品が観たいと思っていたなか、この「宇宙兄弟」は注目したい作品。

幼い頃UFOを目撃したことで、六太(小栗旬)と日々人(岡田将生)の
兄弟は宇宙に行く約束をします。(ここでUFOの方に走らないのがGOOD)

日々人は夢を叶えて宇宙飛行士になるも、兄の六太は会社をクビになりブラブラしている。
そんな時、六太にJAXAから一通の封書が届く。

あまりSF色は強くないのですが、それでも監督はじめ
スタッフの努力がスケール感を何とか盛り上げています。

JAXA試験官役、堤真一の「兄弟で宇宙飛行士なんて、夢があるじゃないか!」の
セリフのように、子供達にもっと夢を与える映画がどんどん出てほしいです。

第39位  南極物語

もう何度となく観ている作品です、そのたびにこの犬たちに感動させられます。

昭和31年、南極第一次越冬隊は帰国の際、犬ぞり用の樺太犬15頭を
第二次越冬隊に託すも、大寒波によって阻まれ犬たちは基地に置き去りに…

犬係の潮田(高倉健)と越智(渡瀬恒彦)は、最後に犬たちを
しっかり鎖に固定してきたことを悔やみます。

一年後、わずかな希望を胸にふたたび南極を訪れた二人が見たものとは。

高倉健さんは「八甲田山」などの、やたら寒さの厳しい映画に出演していますが、
とうとう南極でも渋い演技をしてくれました。

ですがこの映画の主役はなんといっても犬たちです。

タロやジロ、仲間の犬たちが協力しあって広大な南極大陸を駆け抜けていく姿は、
思わず抱えてなでたくなるし、一頭ずつ力尽きていくシーンは切な過ぎます。

あまりに美化しすぎている、という意見もあるようですが、
みんなこの犬たちのことを決して忘れないでしょう。

第38位  銀の匙 Silver Spoon

映画の舞台となるのは北海道のとある農業高校。
だから登場する学生たちはみんな農家や畜産・酪農家のこどもたち。

主人公の八軒勇吾(中島健人)のみがサラリーマン家庭の息子という設定です。

なぜこの八軒君のみが一般家庭出身かというと、将来立派な獣医師となるためとか
農業を学んで牧場経営を夢見るではなく、競争社会に疲れ現実から逃げたかったから。

当然回りの同級生たちとの意識のギャップは大きく、彼はここでも疎外感を味わうはめに。

しかし御影(広瀬アリス)や駒場(市川知宏)ら友人たちとの関係や、
飼育動物たちとのふれあいを通じて人間的に成長していく過程が興味深いです。

この映画の良いところは農業経営のきびしい実態や、
そんな環境下に置かれた子供たち、

そして産業動物達は可愛いだけのペットではないことが、
エピソードとしてきちんと描かれていること。

わたしたちの生活はその上で成り立っているのです。

第37位  博士の愛した数式

難解な数学の問題を、楽しげに理路整然と解いてしまうのには憧れてしまう。

学生の頃、この映画に出てくる博士(寺尾聰)や√(ルート:吉岡秀隆)のような
先生に習っていたら、自分の人生はもっと違っていたかもしれません。

映画はルートの回顧形式で始まる。

数学の元大学教授であった博士は、過去の交通事故により
脳に障害が残り8時間しか記憶が持たない人物です。

そこへ家政婦としてやって来たのがバツイチのルートの母親(深津絵里)

風変わりで数字をこよなく愛す博士に面食らう母親ですが、
次第に打ち解け、しかも10歳になる息子もともに親しくなっていく
(博士はこの子に√(ルート)とあだ名をつける)

擬似家族のような3人の関係はひょっとしてと思わせるが、
母親は義姉(浅丘ルリ子)によって解雇されてしまいます。

消えてゆく記憶と残り続ける記憶。

苦悩の中で博士が導きだした答えとは?

第36位  鬼畜

「好きな映画」とは言えないものの「忘れられない映画」として
強く印象に残っている作品。

小さな印刷屋を営む宗吉(緒形拳)と妻・お梅(岩下志麻)のもとに、
宗吉の側室・菊代(小川真由美)が三人の子を引き連れやってきます。

宗吉はあたふたするも、当然二人の女のたたかいが勃発。

この女優ふたりの演技バトルは圧巻で、感情表現も細かい動作や
小道具(うちわなど)の扱い方までが見事というしかないです。

気が弱くだらしない男を演じる緒形拳も名演技ではじめは
子供らを妻から守ろうとするのですが、次第に追い詰められ、
やがて鬼畜のような行動に走って行くさまを熱演しています。

子供たちに手を上げる岩下の演技は恐ろしく、
ありきたりのホラー映画など足元にも及びません。

それほど虐待シーンは息をのむ迫力です。

逆に子役たちは、ほぼ演出の影が見えず実に自然で、
それゆえに現実感を持って訴えかけるものがあります。

親子の絆の深さが伝わってきます。

第35位  運命じゃない人

平凡なサラリーマン宮田武(中村靖日)のあわただしい一夜を、
本人・友人・ヤクザの組長の3人の視点で描いたハートフルコメディ。

失恋したての宮田は友人の私立探偵・神田(山中聡)のおせっかいから、
レストランで知り合った女性・桑田真紀(霧島れいか)を自宅に招くことに。

しかし突然そこへ失恋相手のあゆみ(板谷由夏)が現れ、思わぬ展開となります。

宮田本人が体験した出来事を、神田の視点で見せることによって事の成り行きが、
全然予期せぬ流れで成立していることに驚かされます。

果ては全く宮田に無関係のヤクザの組長・浅井(山下規介)までもが、
宮田の運命に介入しているという複雑化がストーリーを膨らませて面白いです。

浅井はヤクザというより、どうみても中小企業の管理職といった
考えの持ち主で、どこか憎めず大好きなキャラ。

周りの人間がみんなカネの魔力に運命を左右されるなか、
宮田の生き方はとてもほっとさせてくれる存在です。

第34位  ヒミズ

この映画が原作漫画と一線を画すのは、なんといっても
あの震災の影響を強く受けているからでしょう。

冒頭のシーンなどは、一体ここはどこの戦争地帯なのかと目を疑う。

その情景のなかで展開されるドラマは破滅的ですが、
反面、人間の力強さを大いに感じさせられます。

その筆頭は主演の染谷将太(住田)と二階堂ふみ(茶沢)のふたり。

渡辺哲、でんでん、吹越満といった園作品のベテラン俳優陣が
霞んで見えるほどの存在感があります。

平凡に生きることを夢見るも、決して普通の人が味わえない
立場に陥ってしまった中学生の住田。

流されまいと必死で抵抗する彼のまなざしは、
染谷将太そのもののように映って見えます。

自らも不遇な家庭環境ながら、常に住田を気遣い応援する少女・茶沢。

この二人がお互いに支えあいながら、走り出すラストシーンは、
園子音監督からの心からのメッセージでなのでしょう。

第33位  謝罪の王様

脚本・宮藤官九郎、監督・水田伸生、主演・阿部サダヲの3人の
チームプレイが超ナンセンスな笑いの映画を作り出しました。

このトリオの前作といえば、「なくもんか」

ちょっと肩透かし気味だったので、今作のこのノリの良さは正直驚きました。

物語全体を6つのエピソードに分け、そしてそれぞれが
伏線でつながっている、というアイデアも面白いです。

東京謝罪センター所長の黒島(阿部)は問題を抱えた人々を
謝罪のテクニックを駆使して次々と救っていきます。

「土下座」の持つ不思議なパワー、さらにはそれを越える
最終兵器「土下座の向こう側」もあるらしい。

謝罪を美徳とする文化を持つ日本人なら、これを知らなければ恥ずかしい(!?)

ヤクザに睨まれた帰国子女(井上真央)もセクハラで訴えられるバカ社員
(岡田将生)も果てはマンタン王国との国際問題まで謝るだけで解決させてしまう。

濱田岳のうさんくさい通訳の小ネタもさすがです。

第32位  半分の月がのぼる空

ヒロインが不治の病で、ちょっとやんちゃな彼氏との組み合わせという、
掃いて捨てるほどあるコンセプト。

ですが恋愛ものの永遠のテーマとして、切っても切り離せない相性が
あるので仕方ないのです、恋愛もののセオリーのひとつなのだから。

逆に、里香(忽名汐里)の登場シーンは本当に反則です!

白い洗濯物のシーツが風にバタバタなびくなか、
読書する里香が見え隠れするという…
これは絶対に惚れてしまう。

里香に振り回されっぱなしの裕一(池松壮亮)ですが、
9年間も入院したままの彼女の運命を知り、生きていたいとの
願いに答えようとある一つのことを決意します。

この映画のラストにはあるタネ明かしが用意されているのですが、
あまりにも自然な展開なのでまったく気がつきませんでした。

夏目医師(大泉洋)の

「君は彼女がいなくなったあと、ずっと一人で生きていく覚悟があるか」

という言葉がずしりと響きました。

恋愛って人を強くするんですね。

第31位  北のカナリアたち

湊かなえ原作のミステリータッチの感動作。

主人公の小学校教師、はるを演じるのは、大女優・吉永小百合。

小百合さんの持つ清楚なイメージが強すぎて、はるに対する印象が
やや散漫(夫への愛情と警官との不倫)な気がします。

ただ、死を迎えるしかない夫(柴田恭平)に、尽くそうとするも受け入れられず、
逆に傷心の警官(仲村トオル)は自分を必要としている。

考えれば、これはごく自然なことだったのかもしれません。

6人の分校の生徒たちと合唱を通じ、打ち解けたのもつかの間、
不倫の噂、そしてある事件が起こり、はるは島をでていくことになります。

残された生徒たちの心は傷ついてしまいます。

20年後、成長した教え子たちのうち、信人(森山未來)が事件を起こし、
はるは残る5人の教え子と会うために島を訪れます。

北の最果ての島の自然は美しいですが、その厳しさは冷徹でもあります。
それだけに友情をわかちあうラストシーンは心が温まりました。

第30位  のだめカンタービレ 最終楽章

TVドラマ放映時にはほとんど見ていなかったのですが、大いに楽しめました。

風変わりで情緒が明らかに不安定なのだめ役・上野樹里のかわいらしさや、
クールだがいつものだめに振り回されている千秋役・玉木宏のイケメンぶりが面白く、
すぐにこの映画に引き込まれました。

この二人を取り巻く脇役達も皆きちんとキャラが立っていてムダが無いし、
外国人キャストもしっくりきていて「最終楽章」らしく豪華な感じを出しています。

オーケストラの演奏シーンがやたら長いですが、まあよし。

イケメンのくせにはっきりしない千秋と逆に体全体で
感情をアピールするのだめの恋の展開。

さらに二人のクラシックに対する情熱のゆくえも気になり、
大いに期待感が盛り上がります。

この続編を作るのもアリなのではないでしょうか?

第29位  リング

言わずと知れた、あの「貞子」が登場する日本のホラー映画を
一躍メジャーに押し上げた作品です。

今やあの「お岩さん」にとって代わるほどの抜群の知名度でしょう。

ビデオテープにそのすさまじい怨念を封じ込め、観た人間を死に追いやる
というちょっとハイテク(公開当時)な幽霊(?)

原作を読まれた方も多いと思いますが、ミステリー的な要素と
非常にスリリングな展開が傑出している小説です。

しかし映画はクライマックスの貞子の出現シーンが大いに話題となり、
その後の続編は「貞子」のみが独り歩きして作られていきます。

結果的にはこれが大成功し、世界的にも大ヒットしました。

このため「リング」の続編というと、「リング2」だと浸透していますが、
正統の続編は「らせん」であることに間違いないでしょう。

だとすると実はこの作品の本当の「怖さ」はまだ伝わっていないのかも知れません。

第28位  紙の月

「モンスター」・・・それは姿カタチではなく、人間の心の中にもある。

ストーリーは、女性週刊誌がとびつきそうな、よくある下世話な男女の事件。

夫とのすれ違いから横領事件を起こす梨花(宮沢りえ)は一見、光太(池松壮亮)に
うまく騙された世間知らずなおばさんのようにしか映りません。

でも本当にそうでしょうか?

“お金と愛情”その二つをつなぎ、 横領事件を起こす梨花の”心の闇”にギョッとします。

キャスティングで言えば、事件を見破るベテラン銀行員役の小林聡美も
さすがのはまり役ですし、若い銀行員役の大島優子もぴったりの役柄。

ただ、犯罪を重ねてもなお愛に突き進むこの役どころは、
宮沢りえというブランドでなければ似合わなかったでしょう。

エスカレートしていく犯罪とは逆に、崩壊していく
愛にすがろうとする梨花の心情が悲しいです。

原作のラストはどうなのでしょうか?
映画版は意見が分かれるに違いありません。

第27位  隠し剣 鬼の爪

藤沢周平の描く時代劇は人情味溢れるものが多く、
それを「たそがれ清兵衛」に続いて山田洋次監督が
手掛けたなればまちがいありません。

下級藩士・片桐(永瀬正敏)は実直なのですが、上司にウケが悪く、
剣の腕も立つものの、出世の見込みはなく結婚もままなりません。

ある日、江戸へ旅立った友人・狭間(小澤征悦)が謀反をおこし、
片桐は対決を余儀なくされます。

チャンバラ好きであれば、タイトルの「鬼の爪」がどんな剣なのか
ワクワクしてしまうと思いますが、それは実に意外な剣でした。

これはがっかりするのではなく、なるほどと思わされますし、
逆にリアルさを損なわず映画が引き立ちました。

永瀬正敏は実に好演で、主人公として文句のつけようがありません。
きえ(松たか子)との身分の違いを越えた恋には、思わず応援してしまいます。

美しい日本の田舎の風景や、会話に使われる山形弁も含め、
非常に贅沢な娯楽作に仕上がっています。

第26位  最後の忠臣蔵

時代劇作品のスタンダードとして有名な赤穂浪士の
討ち入り後を描いた忠臣蔵。

さすがに出尽くした感があって、タイトルを聞いただけでも
お腹一杯でもういいやという感じだったのですが、主役の二人に
役所広司と佐藤浩市が出ていると知り興味が湧きました。

それで桜庭ななみという若手女優さんを発見してしまいました。
しかもこの映画のヒロイン、大石内蔵助の隠し子・可音という重要な役どころ。

姫といえば、容姿端麗・器量抜群、そんじょそこらの町娘とはモノが違います。

そんなお姫様・可音になりきり、前述の名優ふたりを
向こうに回しても彼女の存在感は決して薄れません。

自分を育ててくれた内蔵助の家来・孫左衛門(役所)への
可音の純粋な恋心は、忠義を重んずる孫左衛門を戸惑わせます。

ことの成り行きは是非とも本作を観ていただきたいのですが、
可音の幸せを誰もが祈ることでしょう。

第25位  shall we ダンス?

この映画が大ヒットしたおかげで、一躍社交ダンスブームが
巻き起こったのはまだ記憶に新しいです。

社交ダンスと聞くと敷居が高く、年配者がするものといった、
そんなネガティブなイメージを一掃するくらいこの作品は衝撃的でした。

ヒットの要因のひとつは、やはり主人公の杉山(役所広司)に
自然と感情移入出来てしまうところでしょう。

何も特別なことがない毎日の連続の中で、ふと目にした
ダンス教室の一人の美しい女性(草刈民代)

思わず冒険心が動くも、平和な家庭に波風を立ててまで一歩を踏み出すかどうか、
迷い悩むところから大いに共感してしまいます。

さらに脇を固める共演陣が素晴らしいです。

竹中直人と渡辺えり子の二人は呼吸がぴったり合って、
ベストパフォーマンスと言っていい出来だと思います。

観終ってしばらくは主題歌の「シャル・ウィ・ダンス?」とともに、
温かい気持ちに包まれる映画です。

第24位  ペコロスの母に会いに行く

肩の力を抜いて笑いながら観たあとに、実はいろんなことを
この映画が教えてくれていると気付かされます。

それは認知症のことや、老人介護などの社会問題がいっぱい含まれているから。

原作は岡野雄一氏の実生活を描いた漫画であり、「ペコロス」とは
「小さい玉ねぎ」のことで彼の頭髪が薄いことでついた愛称。

認知症の母・みつえを演じた赤木春恵は、この映画の撮影時なんと89才だったそう。

若き日のみつえを演じた原田貴和子ともどもベテランらしい演技で、
主演女優を務めたことに心から拍手を贈りたいです。

また、ゆういち役の岩松了も母の介護に追われつつも明るく、温かいまなざしで
現実を乗り越えていく姿をさらりと演じていて好感が持てます。

一筋縄では解決できない難しいテーマですが、この映画のキャッチコピーにあるように、
「ボケるとも悪かことばかりじゃなかかも知れん。」と心に刻んでおきたいです。

第23位  サンダカン八番◯館 望郷

昔「から◯きさん」と呼ばれた人たちがいました。

その多くは明治時代に東南アジアへ向けて◯婦として渡った少女たち。

つらい思いをして家族のために働き、戦後、故郷へと帰って来るのですが、
最もつらいのは実はそれからなのです。

この映画は内容以上に出演している女優陣がすごいです。

その昔、から◯きさんとしてボルネオのサンダカンに行っていた
老女・北川サキ(実在人物)役に伝説の大女優、田中絹代。

偶然サキに出会い、その過去を探ろうとする女性近代史研究家・
三谷圭子役に70年代美人女優の名を欲しいままにした栗原小巻。

さらにサキの若い頃を演じているのは、当時アイドル的女優だった高橋洋子と、
こんな三人が一本の映画に出ているのです。

テーマこそ重たいですが、この時代の邦画のエッセンスが
良くも悪くも満載なので、ぜひ若い方にも観てほしいです。

第22位  私をスキーに連れてって

とにかく時代を先取りした映画。

誰もが「花の金曜日(ハナキン)」に盛り上がり、
女の子はボディコン、ワンレンでイケイケの世の中。

そんな時に仕掛け人・馬場康夫(監督)が世に放ったこの映画は
流行の最先端としてわたしたちの心を鷲掴みにしました。

劇中に登場するセリカGT-fourや小型トランシーバーは大人気となり、
ユーミンの「Surf&Snow」はカセットでいつも聞いていました。

そしてスキー場は「原田知世風」の白いスキーウェアの女の子で溢れていましたね…

映画の前半は「昔のファッションショー」的であったりするのですが、
後半はスリリングな展開です。

高橋ひとみと原田貴和子のコンビが実にいい。

なかなか進展しない原田知世と三上博史のカップルをつなげたり、
カー・アクションの大激走はクールでかっこいい。

クライマックスの夜間の山越えスキーもハラハラドキドキです。

第21位  20世紀少年 第1章 終わりの始まり

第1章から第3章まで、全3作のこの超大作映画ですが、
とりわけこの1作目が断然おもしろいです。

原作マンガとほぼ同時代を生きた大人なら、この映画を見て
共感する部分がたくさんあると思います。

巨大ロボットや光線銃、秘密基地ごっこなど懐かしいかぎり。

誰もが想像していた憧れのヒーローの世界観がこの映画にはあります。

そんな少年時代を過ごしたケンヂ(唐沢寿明)が大人になり、バンド活動を諦め
コンビニ店長をしているのも、自分を見るようで哀愁を感じます。

しかし突然「ともだち」の出現によって地球の危機が…

オッチョ(豊川悦司)ユキジ(常盤貴子)ヨシツネ(香川照之)らとの友情、
ともだちの正体など次から次へとわくわくさせるストーリーは最高です。

3作をつなぐ存在であるカンナ(平愛梨)のエンディングでの
シーンは文句なしにかっこいい!

テーマ曲、T・レックスの「20th Century Boy」は名曲であります。

第20位  パーマネント野ばら

舞台となっているのは、海辺の漁師町。

作品中の登場人物たちが、全員アクの強い方言でのセリフなので、
是非とも吹き替え版がほしいです(笑)

主人公のなおこ(菅野美穂)が娘を連れて出戻ってきたのは、
母(夏木マリ)の経営する美容室「野ばら」。

この「野ばら」に集まるおばちゃん達の下ネタ話がえげつなく、
この土地の開放感がよく伝わってきます。

母は旦那が家を出てしまって機嫌が悪く、幼なじみのみっちゃん(小池栄子)や、
ともちゃん(池脇千鶴)も男で苦労している様子がコミカルに描かれています。

それでいて女性の強さもしっかりと感じ取れます。

そんな中でなおこはカシマ(江口洋介)との新しい恋を
始めるのですが、二人にはある秘密が…

なおこがカシマから感じる寂しさとは一体何なのか。

義父(宇崎竜童)の「なおちゃん、幸せになりい。」の一言は、
この町のみんなからの、なおこへのあたたかいエールのように聞こえます。

第19位  GO

すごくパワーのある映画です。
登場人物がみんなギラギラとしていて観ていて熱くなってしまう。

「在日」という檻に入れられ、そこから飛び出そうと
日本人の高校に進学する杉原(窪塚洋介)

しかし、そこもまた彼の侵入を拒む世界だったのです。

父(山崎努)もまた、そんな息子の葛藤を知ってか、
息子に対して徹底してコブシで話しかけます。
お前の道はお前で切り開けと言わんばかりに。

「祖国」って何だ?「自分」って何だ?普段わたしたちが
感じることの無い命題を、この映画は問いかけてきます。

そして恋の相手・桜井(柴咲コウ)もまた、杉原が在日と知って
初めて今まで考えたことの無い大きな壁に直面します。

窪塚と柴咲の演技は、うまい・へた以上にすごくツボにはまっていて、
ラストの校庭での二人を観ると、絶対に彼らはへこたれないだろうと思わせてくます。

第18位  蝉しぐれ

天下泰平の世といえば聞こえはいいですが、剣の腕を一筋に
磨いてきた侍たちにとっては生きにくい世の中だったでしょう。

大名たちは、いかに私腹を肥やし権力を高めるか、
それが剣に変わっての才能のあり方。

この映画では、藩内部の政治的な駆け引きを背景に父を失い、
懸命に一家をささえる少年が成長していく姿が描かれています。

主人公で武家の文四郎少年と、隣に住む幼馴染の少女・ふくの淡い恋の
情景が美しく描かれ、身分の違いを越えた二人の姿が実に微笑ましいです。

しかし文四郎一家はこの後、政変により失脚してしまい、
反対にふくは藩主の目にとまり、側室の座へと上っていく。

青年となった文四郎(市川染五郎)とふく(木村佳乃)の
お互いを想う気持ちがせつなく、どんな結末になるのか
とても期待させられます。

お世継ぎ問題が絡んでくる後半は、剣と恋のラストが切ないので、
涙を拭く用意をして観たいものです。

第17位  Love Letter

20年ぶりにこの映画を観ました。

まるで、埃をかぶっていたオルゴールをふたたび開けているような、
懐かしさと心地よさを感じてしまいました。

主役のダブルロールに加え、カギとなる同姓同名の人物設定に、
初めて観た時と同様に少し混乱。

映画全体を通じて流れる”REMEDIOS”の音楽、時間軸の並びなどと合わせ、
現実と幻想のはざまを歩いているような不思議さ。

恋愛ものをこれほど難しく描いてなお、映画ファンの心を
とらえて離さないのは、なぜなのでしょうか。

渡辺博子(中山美穂)から亡くなった恋人・藤井樹(柏原崇)への
Love Letterは、元同級生で同名の藤井樹(中山美穂:二役)へと届きます。

そして二人の往復書簡が始まり、最後は藤井樹からのLove Letterで幕を閉じます。

美しい映画は色褪せない。

第16位  DEATH NOTE デスノート

この映画は約半年後に公開された「DEATH NOTE デスノート the Last name」
とあわせて一つの物語となっています。

娯楽作品に問題提起などは不要だと思いますが、犯罪者ならば
自由に葬っても悪ではないのかと単純にこちらに思わせることで、
見る側の脳裏に小さなくさびを打ち込んできます。

これが意図的でなくとも効果的にこの映画の面白さを倍加させます。

夜神月(藤原竜也)は天才で好青年、そして父親は悪に立ち向かう警察のエリート。
その血を受け継ぐがゆえ、デスノートを手にした月はキラとなり悪党を抹殺していきます。

ICPOから派遣されキラ事件を追うLこと竜崎(松山ケンイチ)は
キラの本質を見抜き、命をかけてそれを阻止しようとします。

月の気持ちを理解する竜崎の気持ちも、また観る側にとって共感でき、
この二人の心理戦に釘付けとなってしまうでしょう。

「デスノート」は死神の道具ですが、ひょっとしたら
誰しも心の内に抱えているものなのかもしれません。

今年は10年ぶりに映画デスノートが劇場に帰ってくるので
楽しみにしているファンも多そうですね。

映画デスノート2016のネタバレ予想「Light up the NEW world」

第15位  容疑者Xの献身

「アリバイトリック」・・・推理小説の好きな方なら、
犯人が仕掛けた罠の巧妙さに唸ってしまうことうけあいです。

このトリックはまず崩せないだろう、なぜなら・・・。

そこは絶対に書けませんが、それでもこの映画のレビューは書けます、
なぜならドラマ部分が非常にいいから。

人気TVシリーズ「ガリレオ」の湯川教授(福山雅治)と内海(柴咲コウ)が、
はからずも人をあやめてしまった花岡(松雪泰子)母娘と彼女らをかばう
数学の天才・石神(堤真一)の鉄壁の完全犯罪に挑みます。

湯川と石神は大学時代の親友で、お互いの才能を認め合ったほどの天才同士。
その火花を散らす対決はワクワクするのですが、なんと今回はガリレオも分が悪い。

石神は花岡本人も知らないほどの「恩」を彼女に抱いていたのです。
堤真一の名演技はこの作品の醍醐味であり、彼のベストアクトだ思います。

第14位  アヒルと鴨のコインロッカー

もう近年のミステリー映画としては、殿堂入りの作品ではないでしょうか。

原作の素晴らしさに加え、映画らしい味付けがプラスされ、
その評価は「おすすめのミステリー映画ランキング」などで
必ず紹介されている程。

テーマ曲「風に吹かれて」が聴こえてくると、
この映画を必ず思い出します。

この映画のポイントは言ってしまえばネタバレに
成りかねないのですが、河崎の風貌でしょう。
そして椎名の単純で世間知らずな性格。

この二人になんともぴったりな瑛太と濱田岳が演じていて、
まんまと騙されてしまいます。

そしてわたしたちは否応無く椎名の目線からしか、
このストーリーに入っていけない。

椎名の隣に住むブータン人を調べようとするエピソードもうまく効いています。
ちょっぴりコミカルでちょっぴり切ないこの映画を知らずにいるのは実にもったいない。

第13位  ガチ☆ボーイ

クライマックスの爽快感といったらホントこの映画。
しかも何度観ても泣けてしょうがない。

大学生・五十嵐(佐藤隆太)は事故による記憶障害から、
新しいことが覚えられません。

そんな彼が一大決心をして学生プロレス研に入部するのですが、
案の定、何度教えられても技や段取りを忘れてしまいます。

そう、彼にとっては毎日が「ガチ」の世界なのです。

家庭状況も非常にギクシャクしていて、以前は学内一の秀才だった
息子が自慢の父親(泉谷しげる)や妹(仲里衣沙)も彼に遠慮するような間柄。

当初は五十嵐を心配するあまり、プロレスに猛反対だったこの二人も、
本人の情熱やプロレス研の先輩たちのやさしさに、次第に心を動かされていきます。

頑固親父然とした泉谷の演技も沁みてくるし、兄に対して
一生懸命尽くす妹役の仲がとても可愛らしいです。

間に合うのか、五十嵐! 勝てるのか、五十嵐!
そしてドロップキック佐田はどうする?!

感動で涙が止まりません。

第12位  八日目の蝉

犯罪事件を縦糸に、親子の愛を横糸に絡めて描いた美しい映画。
小説のように、見返す度に新しい感動が何度も生まれます。

希和子(永作博美)は愛人の子を身ごもるも堕胎してしまいます。
彼女は本妻の赤ちゃんを連れ去り逃避行。

4年後に捕まって有罪となります。
そして4歳になっていた女の子は無事、両親のもとへ。

これでめでたし、めでたし・・・となるはずだったのですが、
この誘拐事件に関わったすべての人は皆、大事な何かを失います。

たとえば、絵里奈(井上真央)
0歳から4歳までの母との大切な思い出は、事件後、
ごみ屑のように捨て去るしかありません。

マスコミの報道により、知りたくもないことを知り、流されるように暮らすも
ルポライターの千草(小池栄子)と出会い、はからずも失われた過去を探す旅に出ます。

絵里奈にとって「八日目の蝉」とは何なのか。
失ったものを取り戻すラストでは、永作博美の名演が心に焼き付いて離れません。

第11位  悪人

丹念に作られた一つひとつのシーンが感情に染み入ってくる名作。

冒頭での主人公・清水祐一(妻夫木聡)に対する評価は「こいつは悪人」

髪を金髪に染め、派手な車で女をナンパしに町へ繰り出すなんて、
絶対善人なはずないと思ってしまいます。

しかし彼の本当の姿が徐々にわかりはじめ、彼の孤独感をやっとこちらが
理解出来たときには、祐一は「殺人犯」となっているのです。

ですが一人の女性・光代(深津絵里)との出会いは
決して彼を本当の「悪人」にはさせませんでした。

あとは印象に残るシーンのオンパレード。

警察署の前で雨に打たれている祐一と、雨がつたう車のフロントガラス越しの光代。
灯台に隠れた二人のひとときの平穏な時間、そして引き裂かれる手と手のクローズアップ。

並みのラブストーリーでは味わえない重たい結末ですが、
映画ファンの心にしっかりと刻まれる1本だと思います。

第10位  カラスの親指

ヤクザに家庭を壊され、身を隠しつつ詐欺師をはたらくタケ(阿部寛)と
自決寸前にタケに助けられコンビを組むテツ(村上ショージ)は、
スリの少女・まひろ(能年玲奈)と出会います。

まひろもまた、ヤクザに恨みがあり、姉やひろ(石原さとみ)、
その彼氏を加えた5人はヤクザの一味相手に、一世一代の詐欺を仕掛けます。

ヒロインを演じた能年玲奈は本作撮影後、「あまちゃん」で大ブレイクしました。

独特の雰囲気を持つわりに、おそらく一定の年齢を越えた男性からは
「理想の娘」みたいなイメージで見られる彼女。

この映画でも、迷い込んだ子猫を「飼っていい?」とタケを上目遣いに
見つめるシーンなんかはタケでなくともデレッとしてしまいます。

そんな能年ちゃんの魅力がよく出ている作品でもあるので、
最近娘が冷たいと嘆いているお父様方は一度ご覧になってはみては。

第9位  東京難民

中村蒼が主人公・時枝修を好演しています。

その場しのぎで世の中をラクに生きようとする甘ちゃん大学生の修は、
父親の失踪を契機に大学の除籍、マンションから追い出されと、
次第に悲惨な状況に直面していく。

特別演技がうまいというわけではないのですが、彼本来の
持つ明るさが、修という人物に嫌悪感を抱かせないです。
これは観る側にとって、とても重要なことだと思います。

展開も非常にスピード感があり、もたつかずに最後までみることができました。

社会の底辺といわれる部分で生活を余儀なくされている人々が、
なぜ這い上がるのがむずかしいのか、という普段は考えもしないことを、
この映画を観ることによって自然と理解することができます。

でもそれ以上に、修が関わりを持つ人間たちのなかで、
少しずつ成長していく姿が心を打ちます。

ラストシーンの朝日が射すなか、新しい道へ向かって
歩き出す修の背中は、とてもまぶしいです。

第8位  まほろ駅前多田便利軒

ドタバタコメディ色の強かったTV版に比べ、映画の方は
ドラマチックな要素を適度に加えて主人公の多田(瑛太)と
行天(松田龍平)の歩んできた道を辿っていきます。

TVでは語られていない二人の意外とシリアスな過去がわかり、
ちょっと驚いてしまいました。

なぜ二人は一緒なのか? 行天の落としたナイフってどういう意味があるのか?
そんな疑問が前半は湧いてくるでしょう。

でも後はストーリーに身を委ねるだけでわかるのでご安心を。

女性ファンは「男同志っていいな~」と羨んでしまうでしょう。
心に傷を負った男ふたりの優しさがわかるから。

極めつけは、フロントガラスの無い軽トラで、依頼人の
男の子を送迎してPTAに文句をいわれるシーン。

その子のセリフに思わず泣かされます。小さくたってやっぱり男は男だ!

音楽も映像にぴったりはまっていてかっこいいし、実に気持ちのいい映画です。

第7位  ザ・マジックアワー

三谷幸喜監督の作品は、どんな映画でもスクリーンの後ろに
監督自身が映ってみえてしまいます。

あの人を食ったような表情で、「どうだ、面白いだろう?」と
ほくそ笑んでいるのが目に浮かんでしまうのです。

そして大抵「おもしろいよ、ちくしょう!」となってしまうのですが。

舞台のセットのような町「守加護(すかご)」でクラブを経営する備後(妻夫木聡)

そして彼に騙され、映画の主演を務めると思い込んだ売れない
役者・村田(佐藤浩市)が殺し屋「デラ富樫」になりきったため、
町を二分するマフィアの抗争に巻き込まれドタバタの展開に。

町を牛耳るマフィアのボス(西田敏行)、ボスの愛人で備後を振り回すマリ(深津絵里)、
ホテルのケバい女主人(戸田恵子)、騙されすぎるCM撮影陣など
すべての要素が絡み合う脚本は、さすがというほかありません。

そして佐藤浩市演じる村田に訪れる、夢のような
マジックアワーの出来事にはもう言うことなしです。

第6位  青い鳥

中学校のいじめ問題をテーマにした、心に訴えかける名作。

エンターティメントとしてではなく、社会問題を扱った映画は
いいものであってもヒットには結びつきにくいです。

観る側が積極的に求めていかないと、なかなか巡り合うことができないので、
ぜひ一度は観て欲しい一本であります。

主役の臨時教師・村内を演じる阿部寛は情感を抑えた素晴らしい出来です。

村内は吃音の教師なわけで、台詞のたびに「どもる演技」を
しなければならないのですが、見事にそれをやってのけています。

映画のなかで常に包み込むような目の輝きをしているところも、
まさに村内先生を演じきっていて、俳優・阿部寛の力量が
感じられて素直に嬉しい限り。

また生徒役で出演の本郷奏多くんも、負けていない!
村内先生に向けて、自分の感情を一気に吐き出すシーンは感動的です。

第5位  サマータイムマシン・ブルース

非常に細かい部分まで作りこまれた、本広克行監督のこだわりのSFコメディ。

最初見たときは伏線の多さについて行けず、「どういうこと?」
みたいな感じになってしまい、巻き戻しながら見るはめに。

二、三度観てようやく落ち着いて笑って観られるようになりました。

真夏のうだるような暑さの中で、SF研究会の連中に突如訪れた悲劇。
なんとクーラーのリモコンが水浸しになり、壊してしまうのです。

しかし、天の助けか偶然2030年の未来から未来人が
タイムマシンとともに現れます。

これでもう安心!

とにかくまだ観ていない人はもちろん、観た人もぜひもう一回。
まだまだ笑えるネタが残っているかも知れません。

第4位  ただ、君を愛してる

男なら誰だってこの映画の宮﨑あおいに恋してしまうでしょう。
そう、この映画は彼女のために作られたと言っても過言ではないから。

同年に公開された「初恋」では、役者としての存在感をまざまざと
見せつけた演技だったのですが、ファンにとってはちょっと消化不良でした。

しかし、この作品での宮﨑あおいはファンが待ち望んでいた
宮﨑あおいを堂々と、潔く演じてくれています。

ちょっと幼げな風貌で笑顔をみせる出会いのシーン。

誠人(玉木宏)が、みゆき(黒木メイサ)たちと談笑しているところに
入っていけず、ふてくされてしまう静流(宮﨑)

そして自分の誕生日プレゼントとして、二人だけの森でキスをするシーンなど、
どこを切っても「This is 宮﨑あおい」を感じることができます。

個人的には、静流が誠人の家で自分の写真を発見し、
にんまりするところが一番かわいい!

果たして静流の想いは誠人に届くのか、舞台は
ニューヨークに移り切ないラストを迎える。

第3位  陽だまりの彼女

これがあの「のだめ!?」と驚くほどこの映画の
上野樹里は大きく変貌していました。

彼女のファーストシーン、真緒(上野)と浩介(松本潤)が
再会するところからもうノックアウト。

それほどこの映画の上野樹里は最高にかわいらしく、
カメラ目線の表情に心を奪われてしまいます。

さらに猫が好きで(この映画のキーポイント)、普段恋愛ものなど
見ないという男性ならイチコロで彼女の虜になってしまうでしょう。

上野樹里のいたずらっぽい目や柔らかいしぐさは、
真緒のキャラクターにぴったりで彼女を起用したことは
大成功のように思います。

こんな恋ができたら最高だろうなぁ。

ファンタジー要素もほどほどに抑えられているのが受け入れやすく、
中学時代の真緒と浩介の関係も、二人の恋を共感できる展開で感情移入しやすいです。

最後までしっかりと真緒に恋したら、ラストシーンに心から拍手を贈れるでしょう。

第2位  黄色い涙

昭和を描いた映画といえば、「ALWAYS 三丁目の夕日」が思い浮かびます。

本作も昭和30年代、東京五輪のあたりを描いているのですが、
「ALWAYS~」よりも哀愁ただよう青春物語となっています。

児童マンガ家を目指す村岡栄介(二宮和也)と彼の部屋に居候する
貧乏芸術家の卵たち(桜井翔・相葉雅紀・大野智)は自分たちの
夢を叶えようと田舎から出てきた若者たち。

日々創作活動を続けるも、4人が満足に暮らす収入はほとんどなく、
生活に行き詰ってしまいます。

村岡の発案で何とか生活費を切り詰め、やっていこうとするのですが…

アイドルグループが果たしてこの時代のエッセンスを表現できるのか
疑問だったのですが、実によくマッチしていると思います。

特に主役の二宮くんが抜群にうまい。
映像が彼の目を通して見ているように錯覚してしまう。

音楽も心地よく、犬童一心監督のセンスの良さが十分感じる1本。

第1位  舟を編む

松田龍平という役者は本当に不思議な人だと感じます。

「探偵はBARにいる」の高田、「まほろ駅前…」の行天、「アヒルと鴨…」の男など
サブキャラばかりなのですが、存在感がハンパ無い。

しかもどの役からも同じような匂いがしてきます。
まるで”松田龍平本人”が役としてそこにいるよう。

本作の主人公・馬締光也もなりきり具合がすごすぎて、
演じるという範囲を越えています。

物語は玄武書房という大手の出版会社の辞書編集部が十数年の月日をかけて、
「大渡海」という中型辞典を作るというお話。

なんとなく暗いテーマですが、これが実に面白い。

職場でお荷物扱いされていた馬締は、ひょんなことから辞書作りの現場へ配属に。

まじめだけが取り柄の彼は、ここでも先輩(オダギリジョー)との関係に悩むのですが、
周りからのアドバイスを受けて徐々に馴染んでいきます。

小さくて大きい、心温まる名作。

2015年公開の邦画ベスト3

海街diary

家族の日常と深い絆を描き続ける是枝裕和監督。

前作「そして父になる」は取り違えられた我が子と親の心の葛藤を描いた作品ですが、
本作では腹違いの妹と一緒に暮らすことになった3人の姉たちとの
やさしさ溢れる心の交流が綴られています。

鎌倉の古い一軒家で暮らす3人の姉妹、
幸(綾瀬はるか)・佳乃(長澤まさみ)・千佳(夏帆)

離婚した父の葬儀に出席するため山形へ向かった3人を出迎えたのは、
再婚相手の女性との間に生まれた妹のすず(広瀬すず)

本来なら葬儀が終わって別々の人生となるはずの彼女たちですが、
長姉の幸が、すずに「一緒に暮らさない?」と声を掛けるのでした…

何と言っても、広瀬すずのみずみずしい演技はこの作品に特別な輝きを与えています。

最初は遠慮がちでなかなか姉たちと馴染めないものの、色々な出来事を
経験しながらその距離が少しずつ縮まっていく様子が微笑ましいです。

すずが、自分の居場所はどこにあるのか悩み・気付き、
それを書き留めていく日記帳がこの作品なのです。

何気ないセリフの数々や舞台となる鎌倉の風景はまさに珠玉。

「ダメなお父さんだったけど、いい妹を残してくれたね」という幸の言葉が心に沁みます。

イニシエーション・ラブ

映像化不可能と言われた乾くるみのヒット小説を映画化した作品。

キャッチコピーで堂々とラストのどんでん返しを謳っており、
観る側に対して挑戦状を突きつけています。

物語は主人公の鈴木(松田翔太)と繭子(前田敦子)の遠距離恋愛ストーリー。

ぽっちゃり体型で冴えない男だった鈴木が、繭子との出会いで
「釣り合える男になる」ことを決意します。

ですが鈴木の転勤をきっかけに徐々に二人の関係は微妙なものに…

見違えるようにいい男になった鈴木の前に、同僚・美弥子(木村文乃)が急接近。
繭子と美弥子の間で鈴木の心は揺れ動きます。

時代設定は80年代ということで、トレンディドラマの王道的展開がお見事です。

挿入歌の「SHOW ME」や手塚理美・片岡鶴太郎の二人が出演しているなど、
ドラマ「男女7人秋物語」を彷彿とさせ、当時のファンが懐かしくなる要素もたっぷり。

一体どこに秘密が隠されているのか?

ラストの衝撃の展開はまさに目からウロコできっと映画の
キャッチコピー通り2回目を観ることになるでしょう。

バクマン。

すごい映像でした。

普通なら地味な展開になるはずのマンガの原稿を描くシーンが、
プロジェクションマッピングを使用しダイナミックで
スピード感あふれるシーンの連続に作り上げられています。

本作を手掛けたのは「モテキ」でその斬新な才能を見せた大根仁監督。

高校生の真城最高(佐藤健)は叔父でマンガ家の川口たろうの
死がきっかけでマンガ家になる夢を諦めていました。

しかし同級生の高木秋人(神木隆之介)の誘いや想いを寄せる
美保(小松菜奈)の励ましもあって、高木とコンビを組んで
日本一のマンガ週刊誌・少年ジャンプの連載を目指すことに。

ジャンプ編集者・服部(山田孝之)にダメ出しをされつつも、
二人がどんどんと上手くなっていく過程はマンガ家を志さない
人間であっても必ずや奮い立たされるはず。

ただ夢を与えるだけでなく業界の厳しさなどもしっかり描かれており、
楽しいだけの作品ではないところもこの映画の良さであります。

ライバルの新妻エイジを演じた染谷将太の存在感、
小松菜奈の美少女アニメから抜け出たような雰囲気も素晴らしかったです。

漫画好きでなくとも見逃せない作品。

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